「心の風邪」という言い方は、一面、多分そうだろうと思うんだけど、ではいざ自分がそう言われて薬が出てくることを想像するとどうなるかというとやっぱり萎える。
なら「心の虫歯」というのはどうだろう、と、ちょっと思った。
歯は、人間の体の中でも数少ない、ほっといても治らない部分。
もちろんちゃんと削ったり詰めたり換えたりすればとりあえず痛くはなくなるしその後のケアもしていれば一生困らないし、それはそうなんだけど、「歯医者行ったら痛かった」という記憶はずっと残る。
歯だけのことで言うなら、物体なので、痕跡も残る。
でもとりあえず、困る原因はなくなる。
もともと、生まれたばかりの人間の口の中には虫歯の菌はいないと聞いた。
小さい頃はスプーンの共用や口移し、大きくなってからはキスなどで菌をもらうんだそうだ。
ちなみに、うちではキスの習慣がなかった。中学校まで虫歯は一本もなかった。
ってことは、そうか、あの、今は一児の親であるあいつか。あいつ確か虫歯あったぞ。
うう、これはまた別の話。
で、歯にもやはり個人差があって、すぐ黄色くはなるけど虫歯にはなりにくいタイプとか、白いんだけど弱いとか、いろいろあるらしい。歯並びという別の問題もあるしなあ。
なので、虫歯が顕在化して日常生活に支障が出るようになるかならないかは「結局、環境と個人差(=運)」みたいな部分もかなり大きいそうだ。
「心の日焼け」ってのもありか。
すぐ赤くなってヒリヒリなんだけどすぐ戻るとか、痛くもなんともないんだけどずっと残るとか、そもそも黒いとか。
紫外線さえなければ問題にはならないわけだし、それってかなり環境でしょう。じゃあ今すぐ引っ越してとか転職してとか、そうはうまく行くもんでもない。
美白原理主義に関しても思うところはいろいろあるんだけど、それもまた別の話。
ああ、個人差ってことだと生理痛もそうか。
みたいなのがいろいろあって、かつ、
・みんながたまに風邪を引いたり虫歯になったりしているからって、自分の感じる痛みがなくなるわけでもない。
・いわゆるドラッグ(酒なども含む)に逃げるのと、医者が判断して与える治療で楽になるのとは本質的に全く違う。
とも思うので、だったら、薬というか医者やカウンセリングというか、試してみるのはありなんじゃないかと思いますです。
説明できないならできないで、とりあえず眠るのが楽になるような薬くらいは出るんだろうし、それだけでも結構違うんじゃないかなあ、と。